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歯周病治療とは
歯周病は、日本人の多くが抱えている国民的な病気です。しかし、歯周病は自覚症状が出にくいことが多く、歯がぐらついたり、歯を失ってしまったりするなど、症状が進んでから初めて気づく方がほとんどです。放置すると、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、早めの治療が大切です。
歯周病治療の目的
歯周病の治療の目的は、歯周病の原因となる歯垢や歯石を徹底的に除去し、再び歯周病にならないように、健康なお口の状態を保つことです。そのため、歯科医院でのプロフェッショナルケアと、ご自宅での丁寧な歯磨き（セルフケア）を組み合わせることで、よりよい治療効果が期待できます。
歯石は自分で取り除けません
歯周病の原因となる歯石は、一度ついてしまうとご自宅での歯磨きではなかなか落とせません。そこで、歯科医院で歯石をきれいに取り除く処置を行います。この処置を「スケーリング」といいます。歯石を取り除くだけでなく、歯の表面を滑らかにする「ルートプレーニング」という処置も合わせて行い、歯周病の原因となる細菌がつきにくい状態にします。
歯周病の症状
歯周病は、初期の段階では痛みもなく、自覚症状がほとんどないため、「沈黙の病気」などと呼ばれています。しかし、放置しておくと歯がぐらついたり、歯を失う原因になったりすることもあります。定期的な健診を受けることで、歯周病の進行を食い止め、健康な歯を長く保つことができます。
主な症状
- 歯肉が赤く腫れる
- 歯肉から出血や膿が出る
- 口臭が気になる
- 歯がぐらつく
- 歯の間がすきだす
- 食べ物がつまりやすい
- 歯がしみる
原因
歯周病は、歯垢（プラーク）という細菌の塊が歯と歯肉の間に溜まり、炎症を起こす病気です。歯垢は、最初はネバネバした柔らかい状態ですが、放置すると硬い歯石に変化し、歯ブラシでは取り除けなくなります。歯石は歯周病菌の温床となり、歯周病を悪化させる原因となります。
歯周病悪化の程度
Stage1
歯肉炎
（癌に例えるとステージ１）
Stage2
軽度の歯周炎
（ステージ２）
Stage3
中等度の歯周炎
（ステージ３）
Stage4
重度の歯周炎
（ステージ４）
歯周病治療の流れ
１
- 検査診断
- レントゲン検査、歯周ポケット検査、プラーク付着検査、歯の動揺検査、咬合検査などの歯周組織検査を行います。
2
- 初期治療
- デンタルスタッフによる徹底的なブラッシング指導、歯周病最大の原因であるプラークコントロール（プラーク＝細菌の数を極力作らせないこと）、浅い歯石除去、咬合調整などを行います。歯肉炎ならこれで治療が可能です。
3
- 再評価
- 歯周組織検査にて初期治療を評価。進行度合いにより次のステージ治療へ進みます。
4
- 基本治療
- 麻酔下にて歯周ポケット内の深い歯石除去と根面研磨、歯周ポケット除去などを行います。グラグラしている歯は固定したり、噛み合わせの調整をします。
5
- 再評価
- 歯周組織検査にて基本治療を評価します。進行度合いにより歯周病の外科的治療へ進みます。
6
- 歯周病の外科的治療
- 歯周病の外科的治療として歯周ポケットの除去治療を主に行います。
7
- 再評価
- 歯周組織検査にて治療、安定化を評価します。
8
- 補綴治療
- 被せ物や入れ歯をつくり、噛み合わせの回復を目指します。
9
- メンテナンス
- 治療後は1～6カ月ごとの定期健診やクリーニングを行います。
歯周病にならないためには？
丁寧なブラッシング
歯科医院でのクリーニングは、歯に付着した汚れをしっかり取り除き、お口の中を清潔にする大切なケアです。しかし、クリーニングだけでは歯周病を完全に防ぐことはできません。歯科医院できれいにしても、すぐにまた歯垢（プラーク）がつき始めます。そのため、ご自宅での丁寧な歯磨きが大切です。
歯磨きで歯と歯ぐきの境目をしっかり磨くことで、歯周病の原因となる細菌の繁殖を防ぎ、お口の健康を守ることができます。
