従来の歯科治療は、暗く狭い口腔内を術者が知識や経験を頼りに「手探り」や「勘」で進めるのが一般的でした。そのため、むし歯(齲蝕)の見落とし、不適切な根管治療、詰め物や被せ物(補綴修復物)の適合不良といった問題が生じ、再治療が必要になるケースも少なくありませんでした。
しかし、歯科用顕微鏡を使用することで、視線と同軸の光によって明るく拡大された視野(約5~20倍)で患部を確認できるようになりました。この技術により、健康な歯を可能な限り削らず、悪い部分のみを精密に処置することが可能です。
また、補綴修復物の適合精度が大幅に向上し、むし歯の再発や歯周病の予防にも効果を発揮します。さらに、治療中に静止画や動画を撮影し、モニターで患者様と共有することもでき、治療内容への理解と安心感を高めています。